◆ 不動産はお金の感覚を麻痺させる! |
~ 同じお金でも見え方が違う ~
2014年4月に、NHKの教育テレビで
『お金と感情と意思決定の白熱教室』が
全6回放送されました。
私も当時、友人に「面白いテレビやってるよ」と
教えてもらい、見ていました。
あれからずいぶん経ちましたが、
ふと思い出したことがありました。
それは、収録の教室で教授が生徒さんへ
「人は他人に『同調』してしまう」と言っていたのです。
再度、詳しい内容を確認したかったので調べていると
放送の動画や本まで出版されていることを知り、
早速、本を購入して読んでみました。
◆ 同調実験 |
【同調】について、有名な実験があります。
それは、ソロモン・アッシュが行った実験です。
一本の基準線が描かれており、
その横にはA・B・Cと3本の線が描かれています。
そこで、被験者へ
「基準線と同じ長さの線はどれですか」
と質問します。
被験者は、「Aです」と答えました。
正解です。
次に、被験者以外の人は実験の協力者で、
同じ質問に協力者はすべて「Bです」と答えたのです。
すると、被験者は「なんで?」と思っていたのですが、
みんなが「B」と答えるので、「A」が間違いなのでは
と思い、結果、「B」と答えてしまったのです。
◆ 同調率は75% |
被験者を何度か変えながら実験を行った結果
なんと75%の人が少なくとも1回は「B」と答えて
います。4人に3人は同調してしまったのです。
私も同調してしまうかもしれません。
ところで、同調が一番起こりやすい人数は
何人だと思いますか?
それは、12人だったそうです。
本を読み進めていると、興味深い実験が
ありましたので、もう1つご紹介します。
ちなみに、その放送で講義をしていたのは
ダン・アリエリー教授で、アメリカのデューク大学で
心理学と行動経済学の教鞭を執っておられます。
◆ お金が持つ相対性 |
それは、【お金が持つ相対性】という性質です。
分かりやすくするため、状況を少し変えて
お伝えします。
例えば、猛暑日の熱中症対策として、
こまめな水分補給がありますよね。
そこで、あなたは対策として
持ち運びに便利な水筒を買うことにしました。
早速、八尾駅前のお店で丁度いい水筒を見つけ、
レジに持っていきました。
すると、店員さんが言いました。
「いい水筒を見つけられましたね。でも、これと同じ
水筒を信号5つ先のお店だと1,500円で売っています
よ。ここで買うと3,000円しますが・・・」
あなたなら、どうしますか?
私なら「親切に教えてくれてありがとう」と言って
1,500円の水筒を買いに行きます。
◆ 高級バッグだったら? |
次に、あなたは高級バッグを買おうとしています。
お値段は9万3,000円です。
支払おうとすると、店員さんが
「実は、これと同じバッグをここより1,500円安い
9万1,500円で売っているお店がありますよ。
信号4つ先のお店です」と言いました。
あなたなら、どうしますか?
ケチと思われるのも嫌なので、1,500円だったら
「ここで買います」と答えてしまいませんか?
1,500円をどうやって節約するのか、
手段は関係ありません。
それが水筒だろうとバッグだろうと、
1,500円は1,500円です。
でも私たちはつい、お金を割合で考えてしまい
がちです。大きな買い物になると、たちまち
よく考えずに決断してしまいます。
ここで、私は思いました。
◆ 不動産だと、どうなる? |
不動産を買う時も高級バッグのケースと同様に、
お金の割合が普段使用する金額とかけ離れている
ので、注意が必要なのではないかと思いました。
あなたは、スーパーでトマト1パック250円を
買うか、美味しく見える少し高い350円を買うか
悩んだことはありませんか?
でも、何万円もする大きな買い物になると、突然
100円の差が大した額に思えなくなります。
特に不動産だと、購入に伴う諸費用だけでも
100~200万円は掛かります。
もちろん明細書には○○が15万円、□□が40万円と
書かれていますが、1,500万円のマンションを買う
のに、15万円だと割合は1%に過ぎず、あまり
気になりません。
ですが、別の日に家具を買いに行き、
そこで見つけた家具が15万円だったら、
やはり慎重に考えますよね。
同じ、15万円なのに感じ方が違うのです。
このように、人はお金の割合で決断してしまう傾向が
あり、特に不動産を買う時は、他の物がすべて少額に
感じてしまいがちです。
なので、金額の大小に囚われず、
ひとつひとつ慎重に判断していくことが
大切なのではないでしょうか。
◆あわせて読みたい◆
⇒ 不動産トップセールスマンを味方にする「5つ」のコツとは?
----------------------
【コラム発行元】
◎ マンションナビ(クローバーライフ株式会社)
◎ お問い合わせ TEL: 06-6743-7400
◎ 発行責任者 村長洋明(むらながひろあき)
■ ご意見・ご感想・ご相談は ⇒ こちらまで
ご感想は100%目を通し、全ての方にご返信しております。
皆様から頂いた 1つ1つが励みになります。
※ご友人などへの転送はご自由にどうぞ。
----------------------