◆ なぜ同じ物件が各社から広告されるのか? |
~ 不動産業界の仕組みについて ~
スーパーのチラシを見ていると、店舗ごとに
目玉商品やお買い得商品が掲載されていますよね。
できるだけライバル店と商品がダブらないように
工夫がされています。
ところが、不動産はネットやチラシ広告をみると、
同じ物件がこちらの不動産会社からも、あちらの
不動産会社からも掲載されているのを見たことは
ありませんか?
なぜ、こんなことが起こるのでしょうか?
独自のルートで仕入れた商品を他店が勝手に
チラシに掲載するようなことはありませんよね。
しかし、カップヌードルのような商品は大量生産
されるため、どのお店でも取り扱いができ、
チラシにも掲載されています。
◆ 不動産は一点物! |
では、不動産の場合はどうでしょうか?
不動産は、大量生産された商品ではなく、
決定的な違いは「一点物」であるということです。
「○○マンションの101号室」は世の中に
1室しかありません。
では、その一点物の101号室をどうして他店でも
広告に掲載できるのでしょうか?
せっかく獲得した一点物ならば、自社で売りたいです
よね。でも、それはできない理由があります。
例えば、魚だと市場で仕入れて
価格を決めて販売します。
不動産の仲介(ちゅうかい)は、仕入れた不動産を
業者が値段をつけて販売するのではなく、売りたい
人から売却の依頼を受けてマンションを販売します。
価格も不動産会社が勝手に決めるのではなく、
売主と相談しながら決めます。
そして、価格が決ればそこで初めて販売開始です。
ネットやチラシ広告等で買主を探します。
無事、買主が見つかっても勝手に売ることは
できません。
「買主が見つかったので、売りますか?」と
売主に確認し、了承が得られたら契約成立です。
このようにスムーズに販売できればいいですが、
売主が頼んだ不動産会社に販売力がなかったら、
なかなか売れないことも考えられますよね。
売れないと売主も困りますし、
流通も活性化しません。
◆ なぜ不動産は他店でも広告できるのか? |
そこで、国土交通省は、
預かった物件情報は公開するよう義務付けました。
公開された情報は他の不動産会社にも共有される
ため、幅広く買主を見つけることが可能になり
ました。
その結果、同じマンションの物件が複数の不動産会
社から広告掲載されるようになったのです。
では、ネットなどで気に入った部屋が見つかれば、
掲載している不動産会社であれば、
どこでも問い合わせは可能なのでしょうか?
はい、可能です。
◆ 業界の厄介なルール! |
ただし、厄介な業界ルールが1つあります。
実際に気に入った部屋を掲載している不動産会社へ
問い合わせをして見学したとします。
部屋は気に入ったけれど、
担当者とウマが合わないことも有り得ますよね。
そこで、別の不動産会社に「実は他店で見学した
部屋を御社で仲介してもらえませんか」と
お願いできるのでしょうか?
実は、不動産に限ってはご法度になっています。
ヤマダ電機で見たテレビを、ヨドバシカメラで買う
ことは可能ですが、不動産はできません。
「初めに見学で立ち会った不動産会社を窓口に
しなければならない」という、業界の暗黙ルールが
存在します。
なので、どちらの不動産会社へ問い合わせるのかは
最初に吟味しておく必要があるでしょう。
すでに安心して頼める担当者がいる場合は、
掲載会社へ連絡する前に、
「○○さんのところでも△△マンションは見学
できますか?」と問い合わせてみましょう。
まだ安心して頼める担当者がいない方は、
私が責任を持って対応させて頂きますので、
お申し付けください。 お気軽にどうぞ!
このようなルールを知らずに、他社で見学した
マンションがすでにあり、その担当者へは頼み
たくない場合は、一度ご連絡頂けましたら、
対策をお伝えします。
◆あわせて読みたい◆
⇒ A社で見学したマンションをB社で仲介してもらえるのか?
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