◆ なぜ不動産は「南向き」が人気なの? |
~ 南向きの人気は『太陽』が関係していた! ~
とあるお客様に物件の希望条件をお聞きしましたら
「3LDKで、5階以上で、南向きがいい」と頂きました。
広さや階数はお客様によってまちまちですが、
南向きもしくは東向きは、必ず希望条件に入ります。
私も30年ほど不動産業に携わっておりますが、
いまだかつて「北向きでもいいよ」と言われたのは
2組しかありません。
ちなみに、北向きでもいい理由とは?
広い土地(最低100坪以上)を希望されており、
道路が北側の場合、ガレージや玄関も北側に集まり、
南面に大きなリビングとゆったりしたお庭がつくれる
ので、北向きが欲しいとリクエストされたことを
覚えています。
このようなケースはまれで、まず1番人気が南向き、
次いで東向き、西向き・・・と続きます。
◆「南向き」にこだわる理由とは? |
では、なぜ多くの方がそんなにも
「南向き」にこだわるのでしょうか?
お客様に「なぜですか?」と問いかけましたら、
「だって、日当たりがいいでしょう」とおっしゃいます。
確かに北向きと比べたら、太陽の光は
南向きのほうが多く当たっているように思えます。
暗いより明るいほうが私もいいと思います。
しかしながら、はたしてそれだけが
理由なのでしょうか?
よく生物を取り扱うお店などは、北向きが好まれます。
理由は、「日が当たりすぎると腐りやすいから」です。
「日当たり」を辞書で調べてみますと、
「日光の当たるところ、また、その当たり具合」と
書いてありました。
この辺りにヒントがありそうです。
皆さんも経験があると思いますが、
冬でも南向きのお部屋は日が当たると
太陽の熱で暖かいことがありますよね。
そして北向きのお部屋は日が入りにくいので
室温も上昇しません。
では、夏はどうなのでしょうか?
逆に、日当たりが良過ぎると暑過ぎると
いうことはないのでしょうか?
◆ 南向きの「直達日射量」 |
建築の本を読んでいると、
「直達日射量」という言葉が出てきます。
これは、直接地上に到達する太陽光の
日射量を意味します。
実は、ここにスゴイことが隠れています!
東京を基準にしますと、南面の壁には1日あたりの
直達日射量は冬季に多く、夏季に少ないのです。
このくだりは、試験によく出るほどです。
さらに、「夏の太陽光は、南面の部屋より、
東面と西面のほうが多く当たる」のです。
逆に、「冬は南面が1番長く日が当たります。」
だから、冬は南向きが暖かいのです。
これは、太陽の高度が夏と冬で違うことが原因です。
冬になると、太陽がゆっくり昇り、早く沈みますよね。
逆に、夏は朝早くから明るくなり、
夕方遅くまで日が沈みません。
夏の冷房負荷を減らすには、
できるだけ東面や西面の窓から入る
太陽光をカーテンなどで遮ると効果があります。
このようなことから、
南向きは明るい「光」と「熱」を与えてくれるので
人気があるのではないでしょうか。
そうなると、
日頃、共働きで日中ほとんどお部屋におられない
ような方は、東向き、西向き、北向きのほうが
南向きより価格が安いので、お得かもしれませんね。
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