◆ マンション広告「月々1万円台で購入可能」って本当? |
~ マンション広告の支払い例に騙されない方法! ~
「騙されない」とは、冒頭からあまり聞こえが
よくありませんが、本当に注意してほしい内容
なので、実例でご紹介します。
私はスクーターで外回りをしていることもあり、
建築中のマンションや完成しているマンションの
前を通ると、必ず広告をもらっています。
将来、中古マンションとして活躍する時のための
情報収集です。
今回も、東大阪のとある完成マンションを
見かけたので、立ち寄りました。
最近のマンションは外観もさることながら、
エントランスや共用スペースがとても綺麗に
造られているなと感じます。
玄関前に広告があったので、1枚頂いてきました。
広告にはいろいろな情報がギュッとまとめて
書いてあるので、そのマンションのことを
知るのに、とても役立つツールです。
さて、広告を開いて見てみますと、表紙に大きく
「最終分譲!南向き!月々払い1万円台・
2万円台・4万円台で支払い可能!」
と書いてあるのです。
「月々1万円台」という表示にビックリ・・・!!
「詳しくは裏面」とありましたので、早速裏面を見て
みますと、支払い内容のカラクリが書いてあり、
それが【スゴイ内容】なので、さらにビックリ・・・!!
そもそも、表紙の、
【月々1万円台でマンションが買える】
って、本当なのでしょうか?
本当だとしたら、とても魅力ある商品ですよね。
では、なぜ月々1万円台になるのか
じっくり読んでみましたら、
このような内容(👇)が掲載されていました。
◆ 月々1万円のカラクリとは? |
まず、マンションの価格は1980万円で、頭金0円
になっていますので、住宅ローンは1980万円を
借り入れします。返済期間は35年です。
ここで驚くのは、【金利】です。
現在、銀行の店頭金利は変動金利で2.475%なの
ですが、こちらのマンション購入には、とある
都市銀行さんの提携ローンを利用することに
なっていました。
そうすると、「金利優遇、マイナス1.5%」で、
融資実行金利は0.975%になっていました。
「金利優遇」は借りる側にとってはとてもありがたく
大きく下げてもらえるのは歓迎できます。
しかし、「変動金利」なので、仮に金利が上がれば、
もちろん返済金額も上がります。
0.975%で35年間金利が上がらない「固定金利」で
あればいいのですが、「変動金利」は、
読んで字の如く、【金利が変動】します。
広告枠に限界があるとはいえ、
その辺りの説明が全くありません。
さらに、「住宅ローン減税」を利用した場合、
参考例では、14,000円の減税効果分が
毎月の返済金額から差し引かれていました。
それでも月々払い1万円台になりません。
◆ ボーナス払いになっていた! |
さらによく見ると、【ボーナス併用払い】に
なっていました。
ボーナス払いを併用することで、毎月払いが30,000円
になり、さらにそこから減税効果の14,000円を引くと
ようやく16,000円になり、【月々1万円台】の完成と
なりました。
すごいカラクリです・・・!!
ちなみに、【ボーナス払い】は小さな文字で
155,000円と書いてあり、支払額が大きく、
ボーナス負担額は年間で31万円です。
さらに、【住宅ローン減税】の効果は
年収や税金の支払い額によって異なりますし、
【当初10年間】しか戻ってきません。
そもそも、住宅ローン減税は所得税の還付なので
年末調整でまとめて戻ってきます。
それを12ヶ月で割り戻して、月々の住宅ローン返済
から引き算をした数字になっていますので、
直接、住宅ローンが安くなるわけではありません。
目先の≪安い金利>≫と≪減税効果≫と
≪ボーナス併用≫で、無理矢理1万円台の
支払い金額を作っているのです。
ウソが掲載されているわけではありませんので、
確かにローンの審査が通れば、いろいろ差し引いて
月々16,000円の支払いでスタートできるのでしょう。
ただ、あまりにも安易な計画に思えてなりません。
じっくり見ていると、マンションなので
管理費等が約12,000円掛かりますし、
頭金0円となっていますが、購入の際には諸費用が
新築の場合でおよそ70万円は必要になります。
さらに、修繕積立一時金として
約25万円が必要です。
◆ 必要最低年収が低すぎる! |
何よりも一番驚いたのは、
「購入に必要な年収270万円」と
書いてあったことです。
上記の支払い例ですと、
月々返済額3万+管理費等1.2万+ボーナス15.5万
で、年間81万4千円も支払うことになります。
年収270万円の方で、サラリーマンの場合、
およそ、手取りは220万円です。
220万円から支払いの約82万円を差し引くと
138万円です。
12ヶ月で割ると、月々手元に残るお金は
約11.5万円です。
仮に、分譲マンションが購入できたとしても、
毎月の生活が快適だとは、まったく思えません。
せっかく手に入れたマイホームであっても、
毎月の支払いが家計を圧迫してしまうよう
では本末転倒です。
私は、270万円の年収であれば、1,200万円までの
マンションが予算の上限だと考えます。
このように、広告内に記載されている物件概要の
表示は、小さい文字で書かれていることが多く、
とても読みづらいのですが、そこには色んな落とし
穴がありますので、どうか注意してください。
弊社は中古マンション専門ですが、新築マンションと
両方を検討される方も、いらっしゃると思います。
新築購入の方でも不安がある場合はご相談ください。
該当の広告をご持参いただけますと、
疑問や不安にぐっと回答しやすくなりますよ。
◆あわせて読みたい◆
⇒ 住宅ローン変動金利と固定金利の違いとは?
⇒ 住宅ローン固定金利と変動金利の選び方とは?
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